事業の運営上、他人に迷惑をかけたり、公共の福祉を害する恐れがあると判断される場合は、欠格要件に該当します。
具体的にどのような場合に欠格要件に該当するかは、建設業法第8条に記載されています。これから欠格要件の一部を紹介します。
1.成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない人
成年被後見人とは、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた人のことです。どういう人が後見開始の審判を受けるかというと、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあり、親族等から請求があった人です。
被保佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分として、家庭裁判所より審判を受けた人です。
破産者については、復権を得ていれば欠格要件に該当しませんので、建設業許可申請をすることはできます。
2.建設業法29条第1項5号又は第6号に該当することにより一般建設業許可又は特定建設業許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
建設業法29条第1項5号は、不正の手段により、建設業許可を受けた場合(更新も含む)、国土交通大臣又は都道府県知事は許可を取り消さなければならないとなっています。
建設業法29条第1項6号は、建設業者が、建設工事の施工、請負契約等について、不正等がりその情状特に重い場合又は不正等により指示を受けて、その指示に従わない場合に、営業の停止を受け、その営業停止の処分に違反した場合は国土交通大臣又は都道府県知事は許可を取り消さなければならないとなっています。
3.一般建設業許可又は特定建設業許可の取消しの処分にかかる行政手続法の規定による通知があった日から当該処分があった日又は処分をしないことの決定があった日までの間に、建設業法12条5号に該当する旨の届出をした者で当該届出の日から五年を経過しない人。
建設業法12条5号に該当する旨の届出とは建設業を廃業する旨の届出のことです。処分を受ける前に廃業してしまい処分逃れをする人にペナルティーを課す意味で欠格要件となっています。
4.建設業法28条3項又は5項の規定により、営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
3項も5項も、要約すると、建設業者として不適当な行為があるときに、都道府県知事又は国土交通大臣は一年以内の期間を定めて、営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
例えば一年間の営業停止を受けたとすると仕事にならないので、新規に許可を取得し、すぐに仕事を再開しようとする罰則逃れを試みる者には、許可を与えてはならないことになっています。
5.禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者。
過去に何らかの犯罪を犯しても、執行が終わり、5年以上経過していれば大丈夫です。
6.建設業法、建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したことにより、又は刑法の特定の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
暴力団関係者、暴力団に支配されているような業者は、建設業許可を取得できません。
7.その他
欠格要件は、行政庁が警察等に照会をかけて判断されます。他の要件を満たしていてもこの要件に該当すると建設業許可は取得できません。